森と

研究開発課題 04

伝統産業の
継承と革新

Forest and craft

秋田のものづくりの伝統文化を
継承し、発展させる

地域に点在する木材関連事業者の多くは個別のネットワークに依存した事業展開を行なってきた。これらの孤立した状態の事業者を対象に、世代や技術、規模や様式を超えた対話の機会を創出し、地域における分断した木工産業を繋ぎ合わせて統合的に可視化することで実現される、地域が培ってきた伝統の継承と、これからの未来に向けた価値の革新の創出が地域ビジョンの実現に不可欠である。

更には、教育研究機関と技術開発機関が産業と結びついた統合型プラットフォームの構築により、地域における人材育成と資源循環、産業発展を再興し、次世代に向けた新たな価値再生のための循環を生み出す。

研究内容

川上〜川中〜川下の情報共有ネットワークの強化

秋田の伝統的工芸品産業は、樺細工や川連漆器でのサクラ樹皮、トチなどの地域の広葉樹資源を、大館曲げわっぱや秋田杉桶樽では良質な大径秋田スギを活用しています。本課題では、川上〜川中〜川下で顔の見える関係や情報共有しやすい環境を構築し、需要者と供給者をつないで原材料の供給安定化を目指します。

森林の背景に、大量の丸太が積み重ねられた現場。二人の男性が丸太を確認している様子。

伝統木工芸産業の継承と革新

伝統的工芸品や木製家具など秋田の地場産業において、体格や世代に制限されにくい技術への進化や製造工程・機能性の革新による訴求性の強い製品づくりを目指します。

複数の木製の円筒状の容器が、テーブルの上に積み重ねられている。美しい木目が特徴的な工芸品。
伝統によって育まれてきた技術が、これからの社会に新たな価値を生み出す

統合型プラットフォームの構築

教育研究機関と木工産業を結ぶ統合型プラットフォームを構築し、ITを活用した情報共有システムや展示会を通じて秋田の木工技術と産業の価値を可視化します。若手育成のためのコンペティションを実施し、秋田公立3大学が連携して伝統技術を基にした最先端の木工技術を研究・開発します。また、新たな木材産業の持続的発展を支える拠点を創出します。

壁のない平らな箱
秋田のものづくりを可視化する

課題リーダー

今中 隆介の写真

今中 隆介

Imanaka Ryusuke

秋田公立美術大学 美術学部
教授

多彩な技術を持つ優秀なつくり手をつなぎ、
秋田ならではの木工製品を開発・展開

秋田公立美術大学と秋田県立大学木材高度加工研究所との連携により、先端的な木工技術の研究開発を基盤とし、秋田の公立3大学がそれぞれ持つ特性(技術力、デザイン力、教養力)を融合させます。これにより、県内に点在する多彩な技術を持つ優秀なつくり手がつながり、秋田ならではの挑戦的な木工プロダクトの開発に取り組むことが目指されます。

アウトプットされた独自のプロダクトは、将来的に国際的な発表を予定しており、参画機関であるr-homeworksの提供するスペースで展示を開始します。また、もう一つの参画機関である詩の国あきたとの協働においては、特にクラウドファンディングを活用した情報発信と外部資金調達に取り組む予定です。

メンバー

  • 足立 幸司の写真

    足立 幸司

    Adachi Koji

    秋田県立大学 木材高度加工研究所
    教授

    サブリーダー

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    伊藤 晋宏

    Ito Shinko

    詩の国秋田株式会社
    代表取締役社長

    リーダー補佐

  • 沈 昱東の写真

    沈 昱東

    Shen Yudong

    秋田県立大学 木材高度加工研究所
    助教

  • メンバー画像がありません

    今中 真琴

    Imanaka Makoto

    有限会社r-homeworks
    取締役

研究実績

ソウゾウの森会議

秋田の各地でミートアップを開催し、起業家精神を持った若者が対話や交流を行います。