プラスチックに代わる
環境にやさしい木材の開発・普及
環境調和型材料とは、化石資源を木質資源に最大限置き換え、脱炭素(減プラスチック)による環境調和に貢献する材料である。これらの材料を活かした製品の実用化は、森林の金銭価値の増加と地域経済の活性化をもたらし、創出した産業の持続的発展のための森林資源管理や製品開発技術の過程での人材育成を通して、地域企業の自律を促すことに貢献する。微粉砕木粉と可撓化木材という秋田県立大学の技術シーズを核とした新市場の創出において、
これまではデザイン性や事業者とのマッチング、実大規模の製品サイズでの試作検証、起業家の育成が弱みであった。
本研究開発課題では、トヨタ車体(株)および(株)イトーキに代表される事業者と協働し、かつ、秋田の公立3大学および自治体を加えた産学官連携の強化で弱みを解消し、化石資源由来プラスチックが多様される自動車産業やオフィス家具産業への環境調和型木質材料の普及・開発を取り組む。
研究内容
人にも環境にもやさしい家具製品の開発
持続可能な資源である木材の三次元形状加工技術や木質材料に用いる接着剤の大幅削減技術、未利用な植物由来資源を活用した新素材の開発とそれら技術を活かした家具製品の開発を進めます。地域企業との連携やトレーサビリティに配慮したサプライチェーンの確保を重視し、森林資源を活かしてきた文化や産業の活用と素材・製造技術・リサイクル全てで人と環境に配慮したエシカルな製品で社会と業界を先導します。
木質系素材を用いた自動車部品の開発
木粉と熱可塑性樹脂を混練して射出成形や押出成形するウッドプラスチック(木質―樹脂複合材料)は、プラスチック使用量を削減する素材として自動車産業での活用が広まっています。
本課題では、木質資源の利用と炭素固定、二酸化炭素排出抑制に貢献することを目指して木材のメカノケミカル処理を伴う微粉砕木粉の耐熱性向上技術を活用し、従来の木粉では実用化が困難であった高温で成形可能なウッドプラスチックの実用性を検証します。
課題リーダー
足立 幸司
Adachi Koji秋田県立大学 木材高度加工研究所
教授
メンバー
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安藤 大将
Ando Daisuke
秋田県立大学 木材高度加工研究所
助教サブリーダー
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西村 拓也
Nishimura Takuya
静岡大学 農学部
特任教授リーダー補佐
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小島 勇
Kojima Isamu
株式会社イトーキ 生産本部
専門職リーダー補佐
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前田 佳宏
Maeda Yoshihiro
トヨタ車体株式会社
新規事業開発部植物材料開発室
主任 -
納谷 藍子
Naya Aiko
トヨタ車体株式会社 材料技術部
室長 -
澤田 浩一
Sawada Koichi
株式会社イトーキ 生産本部
研究員 -
山本 洋平
Yamamoto Yohei
株式会社イトーキ 生産本部
研究員 -
高橋 武彦
Takahashi Takehiko
秋田県立大学 システム科学技術学部
准教授 -
桝岡 真
Masuoka Shin
森林資源バイオエコノミー推進機構株式会社 執行役員