活動報告

第11回ソウゾウの森会議のレポート(詳細版)を公開しました

男鹿から食べる森をソウゾウする(第11回ソウゾウの森会議詳報)

概要

開催日時:2023年10月28日(土)
開催場所:男鹿市 TENOHA男鹿、どんぐり農園、森長旅館、稲とアガベ

第11回のソウゾウの森会議の全体のテーマは「男鹿から食べる森をソウゾウする」と題し、新たな取り組みが増えてきて、最近何かと「アツいよね」と言われる男鹿を舞台に会議を開催しました。

第1部「ツアー 〜農地案内と街ブラ〜」、第2部「ソウゾウの森会議」を通じて議論は発展し、「食べる森」を越えて、男鹿全体のプレイヤーたちが有機的に繋がる未来の景色が少し具体的に描けるような会でした。

第1部 ツアー 〜農地案内と街ブラ〜

ツアーは農場と男鹿駅前の交代制で構成されました。
狙いは「アツい男鹿」をできるだけ濃厚に感じてもらうためであり、「」と「農地」を行き来することで、幅広く男鹿の魅力に触れました。

(1)農地案内

市街地から少し離れたところにある農地は、『日本の渚百選』に選ばれる絶景スポット「鵜ノ崎海岸」沿いにあります。
案内を担当するのは、地域に入り込み、自ら鍬を振る保坂君夏氏。秋田市から男鹿へ移住し、地元の人とのこまめなコミュニケーションを欠かさない彼が何を目指しているのか?その現場を見ながら話題が提供されました。

(2)街ブラ

JR男鹿駅周辺を舞台に、男鹿で最近出てきた・これから出てくる取り組みが各取り組みの代表から紹介されました。

・森長旅館

森長旅館を案内するのは株式会社SeeVisionsの東海林諭宣氏。
昭和9年に建築された歴史ある旅館のリノベーション構想を、実際に館内を歩き回りながら語って頂きました。
館内には当時の新聞・ポスターや暮らしの設備が至るところに見られ、終始ロマンを感じながらのツアーとなりました。

・稲とアガベ株式会社

男鹿駅前のクラフトサケの酒蔵、稲とアガベ株式会社の岡住修兵氏にもお話を伺いました。
クラフトサケというジャンルでの新しい取り組み、酒蔵でありながらラーメン屋や加工場を運営する狙いなど、濃厚な話を語って頂きました。
お話の後には、岡住氏と参加者で熱が冷めないままの会話が続いたりしました。

・ツアーのふり返り

参加者から「ここの道幅は昔からこの広さだったのか?」「男鹿は以前どの地域がどんな産業で栄えていたのか?」など、街に関する質問が多く出てきました。
最後に、アテンドを担当した大西克直氏が運営するさとやまコーヒーの振る舞いもあり、男鹿の食にも触れながら会議に臨みました。

ソウゾウの森会議

(1)食べる森について

まず初めに会のタイトルである「食べる森」についての説明がありました。

食べる森プロジェクトとは、合同会社秋田里山デザインが構想する、荒廃農地の再生利用のアイデアです。
日本の耕作放棄地の増加傾向を踏まえて、北欧の「Everyman’s Right(自然享受権)」や「Edible Forest」などの事例を参考に構想されたプロジェクトです。
農地を関係人口創出の拠点にすることができないか、そんな提案から会議は始まりました。

(2)森長旅館について

ツアーでも巡った森長旅館に関して、株式会社SeeVisionsの今村安里氏から、森長旅館のリノベーションが始まった経緯や、デザイン会社である株式会社SeeVisionsがこの事業を行う意味などについてより深く話題提供いただきました。

(3)JR東日本の事業について

今回、ゲストにお迎えしたJR東日本の入江洋様・武藤里美様のお二方から、JR東日本様が各地で行っている共創的な取り組みについてお話頂きました。
また、男鹿駅前を起点にして盛り上がりつつある男鹿に関しても取り上げていただきました。

ワールドカフェ① 「どんな仕掛けがあったら、男鹿に来たいと思うか?」

第1部と第2部(1)〜(3)で様々なインプットがされた参加者でワールドカフェを行いました。時間が足りないほどの積極的な議論が重ねられました。
あえて無責任に」をキーワードに始まったワールドカフェ。
1つ目の問いは、「どんな仕掛けがあったら、男鹿に来たいと思うか?」というものでした。

ツアーや会議の前半で紹介されたことを踏まえて、参加者のバックグラウンドや趣味を生かした提案をしてもらいました。

男鹿に住む「」を起点にしたツアー・もっとディープな男鹿に連れて行ってくれるガイド・「逆出稼ぎ」で男鹿ならではのお仕事を、など多くのアイデアが出てきました。

ワールドカフェ② 「男鹿の中でどんな連携が生まれたらワクワクするか?」

ツアーと会議で出てきた各要素がどのように連携できそうか?1つ目の問いで考えたアイデアを踏まえて、より深めてもらいました。
例えば、1日で男鹿を大満喫できるツアー内容がとても具体的に描かれ、実際の男鹿の地名やプレイヤーが登場する現実味を帯びたアイデアが出てきました。

そして最後に株式会社Q0の林千晶氏よりJR東日本様に向けた連携の提案があり、とても前向きな雰囲気で会議全体は終了しました。

会議終了後、実際に現地を見ることができてよかった。頭も気持ちもいっぱいで帰路に着いた。など参加者からのコメントをいただきました。

特に、JR東日本の入江様の「この2〜3年でこれだけ街が出来上がっている。街って変わるんだなと実感した。」というコメントは特に印象的でした。
男鹿から何かが起こるかもしれないという期待感が現実になる日が楽しみです。

開催データ

【テーマ】
男鹿から食べる森をソウゾウする

【開催日時】
令和5年10月28日(土)13:00~17:30

【場所】
男鹿市 TENOHA男鹿

【参加者】
26名

【ファシリテーター】
大西克直(さとやまコーヒー)

【ゲストスピーカー】
入江洋 氏(JR東日本)
武藤里美 氏(JR東日本)

【主催】
合同会社秋田里山デザイン 大西克直(代表)
株式会社See Visions 代表取締役 東海林諭宣
COI-NEXT「技術x教養xデザインで拓く森林資源活用による次世代に向けた価値創造共創拠点」
代表機関:秋田県立大学
幹事機関:国際教養大学、秋田公立美術大学、株式会社Q0

【協力】
森長旅館 東海林諭宣氏
稲とアガベ株式会社 岡住修兵氏
さとやまコーヒー 大西克直氏

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